雨が続く中、事務仕事の傍ら、雨の美しさを表現する詩を探していたら素敵な詩がありました。/田平 雨の詩 室生犀星 雨は愛のやうなものだ それがひもすがら降り注いでゐた 人はこの雨を悲しさうに すこしばかりの青もの畑を 次第に濡らしてゆくのを眺めてゐた 雨はいつもありのままの姿と あれらの寂しいふりやうを そのまま人の心にうつしてゐた 人人の優秀なたましひ等は 悲しさうに少しつかれて いつまでも永い間うち沈んでゐた 永い間雨をしみじみと眺めてゐた