屋久島ガイド旅楽のエコツアー |
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Friends List vol.06 森山伸也 vol.05 都倉夫妻 vol.04 柳生真吾 vol.03 KIKI vol.02 柏倉陽介 |
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屋久島に魅了された方々の旅を紹介します。 | ||
良い写真かどうかはまた別として、この写真を撮りながら、ぼくはビートルズのMr.Moonlightを聴いていた。熱心に風景写真へ挑む人からすれば、撮影中に音楽を聴くなど不届きな輩だ、そう思われても仕方ないけれど、この当時は歌詞にも音にも人生が共感していたというか、夜の稜線を一人で歩くことになったときには必ず聴いてみようと、バックパックの雨蓋にiPodを忍ばせておいたのだ。 12月の稜線は音楽を聴くほど長閑じゃなかった。ほっぺたがピリピリするほどの冷気。バヒューバヒューと稜線上を走る雲。遠くの山の頂きのさらに向こうからやってきて、身体にぶつかり、後方の谷間に過ぎ去っていく雲が目で追える。稜線は次第に雲に覆われてしまい、いくら待っても空が見えなくなってしまった。 もう帰って熱いうどんでも食べようかと迷い始めたとき、あたりが急に明るくなる。顔をあげると、雲のなかを月が浮遊していた。Mr、ようやく出てきてくれたか。徐々に現れ始めた稜線のシルエットにピントを合わせ、耳にイヤホンを突っ込み、再生ボタンを押した。 夜、Mr.Moonlightを聴きながらこの原稿を書いていると、あのときの稜線がリアルに想起されてくる。 岩は、いまも風に吹かれ、月明かりに照らされているのだろうか。 |
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