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OPEN 11:00~17:00
TEL 0997-43-5956




山内悠写真展「惑星」

地球の創生を思わせるような鉱物の世界、自然と共存し原始的な暮らしを営む遊牧民、現代の文明を享受する都市、
そして、どこか既視感のある未来を彷彿とさせる砂漠の風景。旅を終え、撮影した写真を並べてみると、そこにはこれらの
光景が表われていた。

自然と人間が調和する世界を求めて始まった旅は、モンゴル全土、中国の内モンゴル自治区を巡った。旅は僕自身の
目的を追いかける中で、いつのまにか思わぬ場所を行き来するものになっていた。これらの写真は横に並ぶことで、あたか
も人類の歩みを俯瞰するようにも感じられるが、実際にはそれぞれの世界が、同時に、同じ国の中ですぐ隣り合わせに
存在していた。

そして、それぞれの場所でそこにいる人々と交流をもつと、世界というのは個人の内側でさらに多様であった。あらゆる世界
が並行して存在し、並行した異なる「いま」を生きている。それは宇宙に広がる惑星から、地球全ての場所、家族や個人、
足元に至るまで、無数の世界がいま此処に隣り合わせに存在しているということだ。時間という過去や未来も、理にかなう
直線的な実態はなく、全ては出来事でしかない。相対的な「いま」という点として、互いに秩序なく隣り合わせに在るだけだ。

すべてが「いま」という瞬間に存在している。僕たちがいま此処に在るということ。それは、すべての瞬間における無限の選択の
集約である。世界は常に「いま」という時の中で無限に形成されていく。まるで無数の惑星ように。

山内 悠


山内 悠 Yu Yamauchi
1977年、兵庫県生まれ。長野県を拠点に国内外で作品を発表している。独学で写真をはじめ、
スタジオアシスタントを経て、富士山七合目にある山小屋・太陽館の滞在中に撮り続けた作品を
まとめた写真集『夜明け』(赤々舎)を2010年に発表。2014年には、太陽館の主に焦点をあてた
山小屋での日々を著した書籍『雲の上に住む人』(静山社)を刊行。2020年、5年をかけて撮影し
続けたモンゴルの写真をまとめた『惑星』を出版。 

http://www.yuyamauchi.com/




山内悠写真展 「惑星」

会期:2021年8月7日(土)~8月28日(土)
場所:GALLERY TABIRA

入場無料 定休日:8月11、14、26 他不定休
開館時間:11:00-17:00(最終日15:00)