屋久島水と光について
屋久島は水の豊かな島。
九州から南へ約80kmに位置し、九州最高峰の宮之浦岳(1,936m)を有する山岳島ともいえる島。黒潮にのって運ばれてくる暖かい空気が、標高約2,000mを駆け上がり、雲をつくりだし、山間部で年間10,000mm近くの雨をもたらします。雨が降り出すと、あっという間に川が増水し濁流となり、海へと流れ去ります。雨が止むと、するすると川の水かさが減り、森から空へ水蒸気が立ち昇り、水の巡回する様子がよく見え、よく分かるのです。
目の前を旅する清らかな水の流れを眺めていると、自分自身の旅のことを思います。今までの事柄、そしてこれからの事。そんな風に想いを馳せる時間をもつことのできる、清らかな水がいつまでも流れてくれることを願います。
水は透明で、それだけでは実体が見えにくいもの、光もまた同じような性質をもっていますが、この2つが合わさると様々な色や形を見せてくれます。これまで山や沢沿いや、水際の森を歩いて出会った水と光の共演をご覧下さい。
2013年2月1日 内室二郎
内室二郎 (Uchimuro Jiro)
作者略歴
1974年埼玉県出身。
1997年より独学で写真撮影を始める。
2004年より屋久島を舞台とした撮影を開始。
2006年、屋久島へ移住。
個展「屋久島の水の物語」
「森と人と」
「水歌森響」開催
「森と人とのいのちの繋がり」をテーマに、屋久島を巡る水、森に咲く花、不思議な生きもの冬虫夏草、などを中心に撮影している。
ウェブサイト 『JIRO UCHIMURO Photography』